Friday, November 07, 2008

TOP Safety PICK 2008 for Small SUV -> Mitsubishi Outlander



IIHSが小型SUV 8車種の衝突試験結果を発表、4車種が「TOP SAFETY PICK」

 米保険業界の非営利団体であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)は、小型SUV 8車種の衝突試験結果を発表した。今回試験したのは、ドイツVolkswagen社「Tiguan」、三菱自動車「Outlander」、米Ford Motor社「Escape」、日産自動車「Rogue」、スズキ「Grand Vitara」、米Chrysler社「Jeep Patriot」「同Wrangler」、米GM社「Chevrolet Equinox」の8車種。このうち、Tiguan、Outlander、Escape、Rogueの4車種が「TOP SAFETY PICK」を獲得した。
 TOP SAFETY PICKを獲得するには、前面衝突、側面衝突、追突時のシートおよびヘッドレストの頸(けい)部保護性能において、最も高い評価である「Good(優れている)」評価を獲得し、横滑り防止装置(ESC)の搭載車であることが条件となる。今回の8車種はすべてESCを標準搭載しており、さらにTOP SAFETY PICKを獲得した4車種はサイド・カーテン・エアバッグおよび前席のサイドエアバッグも標準装備している。

TOP SAFETY PICKの4車種のうち、特にTiguanの衝突安全性が高かった。前面および側面衝突試験において、構造上の欠陥や、乗員の傷害となる可能性のあるダミー人形への衝撃は一つも見当たらなかった。
 メーカーがTOP SAFETY PICKの獲得を目指して努力した結果、シートおよびヘッドレストの頸(けい)部保護性能が改善し、後部衝突試験の評価が全体的に向上した。TOP SAFETY PICKの4車種はシートおよびヘッドレストの形状の評価で「Good」となっている。IIHSの研究では、形状評価が「Good」の車両は「Poor(劣っている)」の車両と比べて、むち打ちになる確率が15%低いという。

 Wranglerは、オプションで設定しているサイドエアバッグを装備していない車両で試験した。オプションでも設定していなかった従来モデルでは、側面衝突試験の評価が「Marginal(許容最低ライン)」だったが、新モデルの評価はさらに下がり「Poor」になった。新モデルでの問題は、衝突時にドアが開いたこと。試験ではダミー人形の動きに影響はなかったが、実際の事故では乗員が外に投げ出される危険がある。IIHSは「たいていのモデルはモデル変更するたびに安全性が改善する。悪くなったのは珍しい」とした。
 今回、サイドエアバッグ未装備で試験したのはWranglerとEquinoxのみ。Equinoxは2009年モデルで標準装備する予定だ。Jeep Patriotはサイド・カーテン・エアバッグを標準装備し、前席のサイドエアバッグをオプションとしている。そのため、サイドエアバッグを装備した車両と未装備車両の両方を試験した。その結果、側面衝突試験の評価は、未装備車両が「Marginal」、装備車両が「Good」となった。未装備車両では、ダミー人形に胸部から腹部への衝撃が記録され、実際の事故では肋骨骨折や内臓障害の危険がある。一方、サイドエアバッグ装備車両ではこうした問題点は改善され、評価が上がった。

IIHSが小型ピックアップトラック5車種の衝突試験結果を発表、トヨタ「Tacoma」が側面衝突で最高評価を獲得

 米保険業界の非営利団体であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)は、小型ピックアップトラックの衝突試験結果を発表した。今回試験したのはトヨタ自動車「Tacoma」、米Chrysler社「Dodge Dakota」(三菱自動車「Raider」と兄弟車)、日産自動車「Frontier」、米Ford Motor社「Ranger」(マツダ「Bシリーズ」と兄弟車)、米GM社「Chevrolet Colorado」(「GMC Canyon」と兄弟車)の5車種。このうち、Tacomaが小型ピックアップトラックとして初めて側面衝突試験で最高評価の「G(Good:優れている)」を獲得した。
 米国の2006年の側面衝突による死者は9000人で、側面衝突は致死事故で2番目に多い自動車事故だという。また、小型ピックアップトラックは、のミニカーセグメント(トヨタ「Yaris(日本名ヴィッツ)」やホンダ「フィット」など)を含むほかのセグメントと比べてドライバー死亡率が最も高い。2006年には、登録後1~3年の新車に乗るドライバーの100万台当たりの事故死者数は、ミニカーセグメントが106人、小型車(ホンダ「シビック」やトヨタ「カローラ」など)が99人、小型SUVが42人に対し、小型ピックアップトラックは116人と最も多かった。理由の一つは、単独事故、特に横転事故が他のセグメントと比べて多いこと。2008年モデルで単独事故対策として有効な横滑り防止装置(ESC)を標準装備しているのは、SUVが95%、乗用車が64%である一方、ピックアップトラックは12%しかなく、オプション設定すらしていないモデルが67%もある。IIHSは小型ピックアップトラックの単独事故の死者数を減らすため、ESC搭載を強く推奨している。
 今回試験した小型ピックアップモデルで、ESCを利用可能なのはTacomaとFrontierのみ。IIHSでは、ESCがオプション設定のモデルは、通常ESC搭載なしで試験し、メーカーの希望があればESC搭載車を試験する。Frontierは希望されなかったが、Tacomaは2009年モデルからESCを標準装備するため、今回試験することになった。2009年モデルでは、Tacomaと同様にColoradoとCanyonもESCを標準装備する。

Tacomaの側面衝突試験では、構造材が室内に大きく侵入することはなかった。運転席および助手席のダミー人形はサイド・カーテン・エアバッグが展開したことで、頭部を硬い構造物にぶつけることもなく、頸(けい)部、胸部も保護されていた。しかし、実際の事故ではドライバーに骨盤骨折の危険もあるという。2008年モデルにおいて、サイド・カーテン・エアバッグの標準装備率は65%。メーカーは2010年モデル以降の全モデルには標準装備すると自主的に決めた。連邦の側面衝突に対する安全基準では、2015年モデル以降にサイド・カーテン・エアバッグの標準装備が決められている。
 Tacomaは、後部衝突試験でむち打ちになる可能性に対してシートとヘッドレストの評価が低く、「M(Marginal:許容範囲最低ライン)」だった。この評価を改善できれば、2009年モデルでTOP SAFETY PICKを獲得できる。トヨタ自動車は大型ピックアップトラック「Tundra」では、TOP SAFETY PICKを獲得している。

試験した5車種のうち、側面衝突試験で最低評価の「Poor(劣っている)」となったのはColoradoのみ。Coloradoは、室内に構造材が多数侵入し、運転席のダミー人形の頭部は、ぶつかる側としてSUVもしくはピックアップトラックを模した障壁の上部に当たった。また前面衝突試験でも、タイヤとホイールが運転席の足元に食い込み、ドアのシルが分離し、左足がブレーキペダルの下に挟まれた。左足を開放するため、ブレーキペダルを切断しなければならず、実際の事故では救出に時間がかかる恐れがある。また、頭部・頸部・胸部の保護性能も低かった。
 5車種のうちRanger以外の4車種はベンチシートの後席を持つ。Rangerは、子供もしくは背の小さい大人用に、二つの横向きのジャンプシートを装備する。今回の試験では前席のみの評価。IIHSでは、スペースが狭いことは別として、シートベルトが2点式のみであるため、ジャンプシートに人が乗るのは勧められないとした。

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